就学前・学童期に見直したい予防接種 〜麻しん流行のニュースをきっかけに、母子手帳を確認しましょう〜|松陰こどもクリニック|世田谷区若林の小児科・アレルギー科

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就学前・学童期に見直したい予防接種 〜麻しん流行のニュースをきっかけに、母子手帳を確認しましょう〜

就学前・学童期に見直したい予防接種 〜麻しん流行のニュースをきっかけに、母子手帳を確認しましょう〜|松陰こどもクリニック|世田谷区若林の小児科・アレルギー科

 

「麻しん(はしか)」に関するニュースを目にする機会が増えています。
麻しんは非常に感染力が強い感染症で、空気感染を起こすことが特徴です。感染すると高熱や発疹が出現し、肺炎や脳炎など重い合併症につながることもあります。

特に乳幼児や免疫力の弱い方では重症化する可能性があり、予防にはワクチン接種が大切です。

今回は、麻しんをきっかけに見直したい「就学前〜学童期の予防接種」についてまとめました。
「小さい頃に打ったはずだけど覚えていない」「何回必要なのかわからない」という保護者の方も、ぜひ母子手帳を開きながら確認してみてください。

麻しん予防で大切な「MRワクチン」

麻しんの予防に用いられるのが「MRワクチン」です。
MRワクチンは、

  • 麻しん(Measles)
  • 風しん(Rubella)

を予防する混合ワクチンです。

麻しんは感染力が非常に強く、同じ空間にいるだけでも感染することがあります。ワクチン未接種で免疫がない場合、感染者と接触すると約90%が感染するとされています。特に家庭内や同じ空間にいた場合は非常に高率に感染します。発熱、咳、鼻水など風邪のような症状から始まり、その後全身に発疹が出現します。多くは自然に回復しますが、肺炎や中耳炎、脳炎などを合併する場合もあり、まれに命に関わることもあります。

風しんは、風しんウイルスによって起こる感染症です。発熱、発疹、リンパ節の腫れなどが主な症状です。最も注意が必要なのが、妊娠初期の女性が感染した場合、先天性心疾患・白内障・難聴・発達への影響などを伴う「先天性風しん症候群(CRS)」を発症する可能性がある点です。思春期以降も確実に免疫を維持するためには「2回接種」が大切です。

MRワクチンは2回接種が基本です

定期接種としてのMRワクチンは、以下の2回接種が推奨されています。

1回目 1歳になったら早めに接種

2回目 年長さん(小学校入学前の1年間)

1回の接種でもある程度の免疫は得られますが、十分な免疫がつかない方もいます。2回接種での97%以上の人が抗体を獲得することができるとされています。

特に就学前は、集団生活が始まる大切なタイミングです。保育園や幼稚園、小学校では感染症が広がりやすいため、入学前に接種を完了しておくことが重要です。

 

就学前に確認したい他のワクチン

就学前には、MRワクチン以外にも確認しておきたいワクチンがあります。

おたふくかぜワクチン

おたふくかぜは、耳下腺の腫れや発熱を起こす感染症です。合併症として難聴や髄膜炎を起こすことがあります。難聴は、一度発症すると回復が難しいことが多く、注意が必要です。

任意接種ですが、多くの自治体で費用助成があります。接種回数や助成制度は自治体によって異なるため、お住まいの地域の案内をご確認ください。

三種混合ワクチン(DPT)

  • ジフテリア
  • 百日咳
  • 破傷風

を予防するワクチンです。

特に百日咳は近年も流行がみられ、感染者の多くは小学生でした。乳幼児期に接種していても、時間の経過とともに免疫が低下するため、日本小児科学会も就学前の接種を推奨しています。

不活化ポリオワクチン

ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによって起こる感染症で、手足の麻痺など重い後遺症を残すことがあります。現在、日本ではワクチン接種により患者発生は抑えられていますが、世界では依然として流行している地域があり、海外から持ち込まれるリスクはゼロではありません。DPTと合わせて日本小児科学会が就学前の接種を推奨しています。

日本脳炎ワクチン

日本脳炎は、蚊を介して感染するウイルス性疾患で、発症すると高率で重い後遺症を合併し命に関わります。日本脳炎ワクチンは、幼少期に1期接種を行いますが、時間の経過とともに免疫が低下するため、9〜12歳頃に行う「2期接種」が重要です。2期接種は、低下してきた免疫を再び高め、思春期以降もしっかりと予防効果を維持する役割があります。日本脳炎はアジアで広く流行しており、日本でも西日本を中心に広く分布しており、注意が必要です。

 

二種混合(DT)ワクチン

DTワクチンは、ジフテリアと破傷風を予防するためのワクチンです。乳幼児期の定期接種で基礎免疫をつけますが、時間の経過とともに免疫は徐々に低下していきます。そのため、9〜12歳頃に行うDT追加接種は、低下した免疫を再び高め、思春期以降も感染予防効果を維持するために重要です。特に破傷風は、土の中などに存在する菌が傷口から体内に入ることで発症し、けいれんや呼吸障害を起こすことがある重い病気です。日常生活での小さなけがでも感染する可能性があるため、継続した免疫維持が大切です。また、ジフテリアは現在国内ではまれですが、海外では流行地域もあり、感染すると重症化することがあります。

 

HPVワクチン

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、子宮頸がんの原因となるウイルスですが、女性だけでなく、男性にも関係するウイルスです。男性が感染すると、将来的に中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマなどの原因になることがあります。HPVワクチンは男女ともに有効性と安全性が確認されており、多くの国で定期接種として推奨されています。小学校6年生〜高校1年生相当の女子が定期接種の対象ですが、男子への接種助成を行う自治体も増えています。将来のがん予防につながる大切なワクチンとして、正しい情報をもとに接種していただきたいワクチンの一つです。

母子手帳の確認を習慣に

予防接種は、「受けたつもり」「予約したつもり」で抜けてしまうことも少なくありません。

特に、長引く風邪転居・きょうだいの出産など、スケジュール管理が難しくなります。

母子手帳の予防接種欄を定期的に見返すことが大切です。

「どこまで終わっているかわからない」
「追加接種が必要かわからない」

という場合は、お気軽に小児科へご相談ください。

まとめ

麻しんをはじめ、ワクチンで予防できる感染症はたくさんあります。また、将来妊娠中に感染症にかかることで、赤ちゃんへ影響を及ぼす感染症もあります。ワクチンで予防できる病気から身を守ることは、お子様自身の健康だけでなく、将来生まれてくる次の世代の子どもたちを守ることにもつながります。

そのため、適切な時期に必要なワクチン接種を受け、十分な免疫を維持しておくことが大切です。

就学前・学童期は、予防接種を見直す良いタイミングです。

ぜひこの機会に母子手帳を開き、接種状況を確認してみてください。
不明な点があれば、いつでもご相談ください。

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