アデノウイルス〜その長引く熱はアデノ?〜|松陰こどもクリニック|世田谷区若林の小児科・アレルギー科

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アデノウイルス〜その長引く熱はアデノ?〜

アデノウイルス〜その長引く熱はアデノ?〜|松陰こどもクリニック|世田谷区若林の小児科・アレルギー科

アデノウイルス感染症は、子どもによくみられるウイルス感染症のひとつです。

「高熱が続く」「のどが痛い」「目が赤い」「下痢をする」など、症状はさまざまです。

これは、アデノウイルスには多くの型があり、感染する型や部位によって症状の出方が異なるためです。

アデノウイルスは、発熱、咽頭炎、結膜炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎など幅広い症状を起こします。

アデノウイルスの主な症状

アデノウイルス感染症では、以下のような症状がみられます。

  • ・高熱
  • ・のどの痛み
  • ・扁桃腺の腫れ
  • ・目の充血
  • ・目やに
  • ・咳、鼻水
  • ・腹痛
  • ・下痢、嘔吐
  • ・首のリンパ節の腫れ

特に咽頭結膜熱では、39〜40℃の高熱と37〜38℃台の熱を行き来しながら、4〜5日程度続くことがあります。のどの痛み、扁桃腺の腫れ、頭痛、腹痛、下痢、結膜炎症状を伴うこともあります。

型ごとの特徴

 3型・4型・7型など

咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の原因になります

3型、4型、7型などは、咽頭結膜熱の原因として知られています。

咽頭結膜熱は、発熱、咽頭炎、結膜炎を特徴とする感染症です。

主な症状は、

  • ・39℃前後の高熱
  • ・のどの強い痛み
  • ・扁桃腺の腫れ
  • ・目の充血
  • ・目やに
  • ・頭痛
  • ・腹痛
  • ・下痢

などです。

高熱が数日続くことがあり、保護者の方が心配されることも多い病気です。

ただし、アデノウイルスには特効薬がないため、治療は水分補給や解熱剤などの対症療法が中心になります。

7型では、まれに肺炎など重症化に注意が必要なことがあります。

呼吸が苦しそう、ぐったりしている、水分が取れない場合は早めの受診が必要です。

 8型・37型・53型・54型など

流行性角結膜炎、いわゆる「はやり目」の原因になります

8型、37型、53型、54型などは、流行性角結膜炎の原因として知られています。


主な症状は、

  • ・強い目の充血
  • ・目やに
  • ・涙が多い
  • ・まぶたの腫れ
  • ・目の痛み
  • ・まぶしがる
  • ・片目から始まり、反対側に広がる

などです。

流行性角結膜炎は感染力が非常に強く、タオルの共有や手指を介して家庭内、園、学校で広がることがあります。

目の症状が強い場合は、眼科での診察が必要になることがあります。

40型・41型など

胃腸炎の原因になります

40型、41型は、主に乳幼児の胃腸炎の原因となる型です。

CDCも、アデノウイルス40型・41型は子どもの胃腸炎の原因になると説明しています。

主な症状は、

  • ・下痢
  • ・嘔吐
  • ・発熱
  • ・腹痛
  • ・食欲低下

です。

ロタウイルスやノロウイルスのような胃腸炎と似た症状を起こします。

特に乳幼児では、下痢や嘔吐が続くと脱水になりやすいため注意が必要です。

検査について🔍

アデノウイルスは、外来で迅速検査を行うことがあります。

検査には、

  • ・のどを綿棒でぬぐう検査
  • ・目の症状が強い場合は結膜をぬぐう検査
  • ・胃腸炎では便を使う検査

などがあります。

ただし、症状や経過から診断できる場合や、検査結果によって治療方針が大きく変わらない場合は、必ずしも検査を行わないこともあります。

また、迅速検査で「アデノウイルス陽性」と出ても、通常の外来検査では何型かまでは分かりません。

型の判定には専門的な検査が必要です。

治療について❤️‍🩹

アデノウイルス感染症に対する特効薬はありません。

治療は、

  • ・水分補給
  • ・休養
  • ・解熱剤
  • ・のどの痛みへの対応
  • ・目の症状が強い場合の眼科的治療
  • ・胃腸炎では脱水予防

が中心です。

咽頭結膜熱は多くの場合自然に治りますが、吐き気や頭痛が強い、咳が激しい、眼症状が強い場合は医療機関への相談が勧められています。

受診の目安🏥

次のような場合は、早めに受診してください。

  • ✔︎水分が取れない
  • ✔︎おしっこが半日以上少ない
  • ✔︎ぐったりしている
  • ✔︎呼吸が苦しそう
  • ✔︎高熱が長く続く
  • ✔︎目の痛みが強い
  • ✔︎まぶしがる
  • ✔︎目やにが多く目が開けにくい
  • ✔︎嘔吐や下痢が続く
  • ✔︎けいれんがある

特に乳幼児では、脱水や全身状態の変化に注意が必要です。

登園・登校基準について🏫

アデノウイルス感染症は、病名によって登園・登校基準が異なります。

咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の場合

咽頭結膜熱は、学校保健安全法で出席停止の対象となる感染症です。

登園・登校の基準は、

発熱、のどの症状、目の症状などの主要症状がなくなった後、2日を経過するまで

です。

つまり、熱が下がっただけでは登園・登校できません。

のどの痛みや目の充血なども含めて、主要症状が改善してから2日経過する必要があります。

流行性角結膜炎、いわゆる「はやり目」の場合

流行性角結膜炎も、学校保健安全法で出席停止の対象となります。

登園・登校の基準は、

医師が感染のおそれがないと判断するまで

です。

目の充血や目やにが強い間は感染力が強く、登園・登校を控える必要があります。

アデノウイルス胃腸炎の場合

アデノウイルス胃腸炎そのものには、咽頭結膜熱のような明確な出席停止期間はありません。

登園・登校の目安は、

  • ・嘔吐がない
  • ・下痢が改善している
  • ・水分が取れる
  • ・食事がある程度取れる
  • ・元気が戻っている

ことです。

ただし、保育園や幼稚園によって独自の基準がある場合があります。

登園届や治癒証明書が必要かどうかは、通園先に確認してください。

家庭で気をつけること🏡

アデノウイルスは、飛沫感染や接触感染で広がります。

家庭内感染を防ぐために、次の点に注意しましょう。

  • ・手洗いをしっかり行う
  • ・タオルを共有しない
  • ・目を触った手で他のものを触らない
  • ・おむつ交換後は手洗いを徹底する
  • ・ドアノブや洗面台を清潔にする
  • ・体調が悪い間は無理に登園・登校しない

症状がよくなった後も、便の中にウイルスがしばらく排出されることがあります。

特におむつ交換後の手洗いは大切です。

まとめ

🖍️アデノウイルス感染症は、型によって症状が大きく異なります。

  • ・1型・2型・5型など:発熱、咽頭炎、かぜ症状
  • ・3型・4型・7型など:咽頭結膜熱、プール熱
  • ・8型・37型・53型・54型など:流行性角結膜炎、はやり目
  • ・40型・41型など:胃腸炎

 

🖍️アデノウイルスには特効薬がなく、治療は対症療法が中心です。

🖍️高熱が続くこともありますが、水分が取れているか、元気があるか、呼吸が苦しくないかが大切なポイントです。

🖍️アデノウイルス感染症は、病名によって登園・登校基準が異なります。咽頭結膜熱では主要症状がなくなってから2日経過、流行性角結膜炎では医師が感染のおそれがないと判断するまでが目安です。

🖍️判断に迷う場合は、無理に登園・登校せず、医療機関にご相談ください。

参考文献

  • 厚生労働省 咽頭結膜熱(プール熱)について
  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報
  • 国立健康危機管理研究機構 病原体検出マニュアル ヒトアデノウイルス
  • 文部科学省「学校において予防すべき感染症」
  • CDC (Centers for Disease Control and Prevention) Adenovirus

※2026年6月閲覧

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